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2011年6月24日金曜日

浜村淳

最近ラジオがパソコンで聞けるんですね
26年前〜32年前の6年間
関西にいたんですけど
その時に聞いていた
「ありがとう 浜村淳」 ってラジオ番組
今も健在でびっくり
最近 毎日聞いています\(^o^)/
懐かしいというか すごいですね
継続するって







聞けるかどうかわかりませんけど
リンク貼っておきます(^O^)
おもしろいかどうかは受け取り方です(笑)
ありがとう浜村淳です 






浜村淳の映画の紹介がとても上手で
当時、仕事しながらラジオ聞いていたんですけど
この映画の紹介の時は車から外にでないで
じっくり聞いていました
いまそんなラジオ番組ないもの(^O^)

残念ながらネットラジオでは映画紹介の声がきけませんけど

映画紹介がアップされてるの見つけたので紹介します

すいこまれるように 聞いてしますんです
そして観たくなるんです(笑)



浜村淳 映画紹介

■ジュリエットからの手紙(2011年06月号)

 恋に迷い、恋に悩んだ女性はイタリアの町ヴェローナへやって来る。
 ここにジュリエットが住んでいた屋敷が残っている。緑の木立にかこまれた庭園の石壁に女性たちは手紙を貼りつけて帰ってゆく。
 そのすべてに四人の女性たちが返事を書く。はげましの言葉、なぐさめの言葉、助けの言葉を書く。そして最後にかならず「ジュリエットより」と署名する。その数、年間五千通。
 ニューヨークの雑誌記者ソフィは婚約者といっしょにヴェローナへ旅して来た。もっとも彼のほうは近日開店するレストランのためのワインの買いつけや醸造所、ぶどう畑の見学にいそがしい。ソフィはひとりでジュリエットの屋敷へやって来た。
 そして石壁の隙間にはさまっていた古い手紙をみつけて引っ張り出してみた。
 「私はクレア、十五歳です。絵の勉強のため、この近くのシェーナへロンドンから来ました。そこで私は恋をしました。相手はロレンツォと言い、とても情熱的でやさしい若者です。
 私たちは結婚を約束しました。しかし双方の親は絶対にゆるしてくれませんでした。まだ若過ぎるというのです。私たちは駆け落ちすることにしました。しか し私は待ち合わせを約束した木の下へ行きませんでした。自分の行動がこわくなったのです。私は彼に待ちぼうけさせたままロンドンへ帰ってしまいました。 ジュリエット様、私は彼に、どのようなつぐないをしたらよいのでしょう」
 日付を見たら、なんと五十年前に出した手紙だった。ソフィは四人の女性にまじって返事を書いた。
 「今からでもよいのです。勇気をふるって、あの日の愛をさがしてみましょう」
 クレアもロレンツォも生きているかどうかわからない。むなしい思いでいたところ数日して、ほんとうにクレアが訪ねて来た。銀髪の長い上品な老婦人だった。美青年の孫をつれている。孫は、かんかんに怒っている。
 「せっかく、おだやかに暮らしている祖母をからかうのはやめてくれ!」
 クレアは、たしなめていう。
 「この人は私に五十年前に失った夢を贈ってくれたのよ。そもそも一五九五年にシェークスピアが書いた悲劇ロミオとジュリエットのお屋敷が現存しているだけでもすばらしいじゃないの。ロレンツォがみつからなくてもいい。夢の名残を探すだけは探してみましょう」
 三人は車で走りつづけた。孫は怒ってばかりいる。ソフィは婚約者に置き去りにされてばかりいる。それでも地中海の太陽はさんさんと明るい。青いぶどう畑 の丘、糸杉の木立は美しい。心もはずんで来る。ただし、この地方にロレンツォという名前の老人の多いこと。みな別人だった。「やはり亡くなっているの か」。
 クレアの瞳がかなしみの色にくもったとき、ついにみつかった! 広い農園の彼方から白いひげの顔、堂々とした体格で馬を飛ばして駆けて来る老人こそ、なつかしいロレンツォだった。
 「クレアじゃないか!神様、別れて長い年月だった」
 「五十年よ!」
 涼しい木陰でトーストにバターを塗って食べながら、おしゃべりにふけった楽しく長い初恋の時間が幻影のようによみがえってくる。
 ロレンツォもいまでは七十歳を過ぎて大農園主になっている。庭にテーブルを並べて大家族にクレアを紹介する。
 「彼女は夫を亡くしており、わしは妻を亡くしておる。これぞ運命の再会じゃ」
 「再会が遅すぎたわね」
 「愛に遅すぎるということはない。さあ上等のワインで乾杯しよう!」
 ソフィはヴェローナへ帰って行った。そのあとをクレアの孫は必死で追いかけた。
 「あんないい娘はいない!」
 いまさら気がついてもどうにもならない。ソフィには婚約者がいる。遅すぎる愛もあるということが身にしみてわかってくる。
 ソフィはNYへ戻り「ジュリエットからの手紙」の体験を原稿に書いた。編集長が机を叩いてよろこんだ。
 「アリタリア航空の株をまとめて買っておけ、これを読んだ女性がイタリアへ押し寄せるぞ!」
 クレアとロレンツォの結婚式の招待状が届きソフィはふたたびシェーナへ出かけて行った。はじけるように陽気で歌と踊りがいっぱいの披露宴にまじってソ フィは、いつも自分をひとりぼっちにする婚約者のことがさびしくて、そっと屋敷のバルコニーに立っていた。そのすぐそばに伸びている樹の幹を、いま、けん めいによじ登って来る青年がいる。クレアの孫だった。
 「ああ、ロミオとジュリエットの名場面!」
 ソフィの眼に涙がうかんだ。
 愛する者同士には五十年のへだたりなど、なにものでもない。再会すれば一瞬にしてよみがえる愛のすばらしさ。
 これぞ、まさにジュリエットの奇跡ではないだろうか。

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